ポータブル電源は電気の備蓄装置として、さらには「電気を持ち運べる機器」として人気です。日常生活において何気なく使用している電気は、自然災害・停電等によって使えなくなった時、改めてその利便性を実感するものです。
ポータブル電源が人気を集めているのは、「いざ」「もしも」の際に活躍してくれるからこそですが、同じく災害時に使えると便利なアイテムとして電子レンジが挙げられます。
電子レンジは便利なアイテムですが電気がなければ使用できません。そしてポータブル電源は電気を供給するアイテムです。単純に考えると、電子レンジも使用可能に思えますが、果たして実際に使用できるのでしょうか。
この記事ではそんな疑問に応えるべく、ポータブル電源で電子レンジは使用できるのかについてさまざまな角度から解説させていただきます。
あわせて読みたい
人気ポータブル電源 おすすめ 最新ランキング!
更新New!バッテリーマート独自の人気ランキングで紹介しています。
ポータブル電源は電子レンジも使用可能!
結論からお伝えすると、ポータブル電源でも電子レンジの使用は問題ありません。
電子レンジは決して電気以外に特殊な動力を必要とするものではないため、電気があれば使用可能です。スマートフォンやタブレット、ラジオやドライヤー等と同様に、ポータブル電源につなぐことで問題なく使用できます。
ただし、ポータブル電源で電子レンジを使用するにあたっては、注意点があるのも事実です。裏を返せば、注意点を把握し、適切に使用する限り電子レンジはポータブル電源から供給された電気で使用可能です。
あわせて読みたい
ポータブル電源 日本製を徹底比較!おすすめ人気ランキング
メイドインジャパン日本製だからこそ日本規格の安心できるポータブル電源
ポータブル電源で電子レンジを使用する場合の注意点
ポータブル電源でも電子レンジを問題なく使用できますが、使用にあたっては下記の注意点を把握しておくことが大切です。
- ワット数の確認
- 容量(Wh)の確認
- 純正弦波インバーター搭載のものを選ぶ
- 連続使用時間の考慮
- AC出力周波数
なぜこれらが大切なのか、それぞれ詳しく解説していきましょう。
ワット(w)数の確認
電子レンジは搭載機能・グレードによって異なりますが、消費電力は600~1,500wが一般的で、家電製品の中でも消費電力が高いです。
ちなみに他のポータブル電源での使用が想定される家電製品の消費電力は下記のとおりですが、電子レンジの消費電力が「高め」であることが伺えます。
デスクトップPC | 50~150w |
ノートPC | 20~30w |
掃除機 | 200~1000w |
冷蔵庫 (450ℓ) | 250w |
ドライヤー | 1200w |
実際に使用するにあたっては電子レンジの消費電力以上の出力を持つポータブル電源が必要です。
例えば600wの電子レンジをポータブル電源で使用する場合、ポータブル電源の出力は600w以上である必要があります。さらに、安定した電子レンジの稼働を考えると倍以上が好ましいです。
そのため、実際にポータブル電源で電子レンジを動かすためには、電子レンジ側の情報も必要になります。
容量(Wh)の確認
容量(Wh)も確認しましょう。例えば600Wの電子レンジを1分使用する場合、下記の計算式で電気の使用量を求めることができます。
600w×0.016時間=約9.6Wh
ポータブル電源の容量がこの数字や、想定される用途で必要とするWhをカバーしているのかを確認しておきましょう。
純正弦波インバーター搭載のものを選ぶ
電子レンジは電力の安定供給が必須です。不安定に供給された場合、故障するリスクもあります。そのため、電力の安定供給を可能にする「純正弦波インバーター」が搭載されているかをチェックしましょう。
「純正弦波インバーター」が搭載されていないポータブル電源の場合、ワット数・容量が優れていても、電子レンジに使用することで電子レンジにトラブルが起きる可能性があります。
連続使用時間の考慮
ポータブル電源によって、連続使用出力が異なります。長時間稼働で加熱・シャットダウンするポータブル電源の場合、電子レンジには向いていません。
電子レンジは場合によっては数分以上使用することもあります。そのため、長時間稼働に対応したポータブル電源を選んだ方が無難です。
AC出力周波数
多くの方が御存知のように、日本は地域によって電源周波数が異なります。東日本は50Hz、西日本は60Hz、さらに長野県・新潟県の一部では混在地域もあります。

画像:SHARP公式サイト・電源周波数地域(50Hz地域/60Hz地域)について
電化製品の周波数は対応地域に対応している点は電子レンジも同様です。そのため、使いたい電子レンジがどちらの電源周波数に対応しているのかをチェックしておく必要があります。
転勤が多い・通販で購入したから厳密に分からない場合や調査に手間がかかる場合、50Hz・60Hzそれぞれに対応しているポータブル電源を選びましょう。
あわせて読みたい
ポータブル電源を買って後悔した事例やデメリットを紹介!
購入後の後悔として「想像以上の重さ」を挙げる声が多く寄せられます。
電子レンジでも使用可能なおすすめポータブル電源
電子レンジで使用するポータブル電源のポイントを紹介させていただきました。これらを基に、電子レンジを使用するにあたっておすすめのポータブル電源を5つ、紹介させていただきます。
Jackery ポータブル電源 2000 Plus

2,042Whの大容量バッテリーを搭載している点、さらに定格出力3,000W、最大瞬間出力6,000Wと電子レンジの使用にも申し分ないスペックを誇ります。
ACコンセント5口(うち1つは最大30A対応)、USB-Aポート2口、USB-Cポート2口、シガーソケット1口を備えている汎用性の高さに加え、最大5つの拡張バッテリーを接続可能で、バッテリー容量を最大12,000Whまで増設できる拡張性の高さも特徴です。大容量ではありますが独自のChargeShield技術によって約2時間でフル充電が可能な点、リン酸鉄リチウムイオン電池を採用していることで長寿命・高耐久性も実現しています。
スペック・汎用性・拡張性いずれも申し分ないポータブル電源は、伸縮式ハンドルとキャスターが付いているためスーツケースのように容易に移動できる点も特徴です。
EcoFlow DELTA 2

1,024Whの容量、定格出力1,500W、瞬間最大出力1,900Wのポータブル電源です。ACコンセント4口、USB-Aポート4口(うち2口は急速充電対応)、USB-Cポート2口、シガーソケット1口を備えている汎用性の高さと、最大500Wのソーラー入力に対応し、EcoFlowの400Wソーラーパネルを使用すれば、約3~6時間で満充電が可能なソーラー充電に対応している点が特徴です。
約1.2時間でフル充電が可能な高速充電機能とおよそ3,000回の充放電サイクルに耐えるリン酸鉄リチウムイオン電池を採用していることで、繰り返しの使用に強い点が強みです。
BLUETTI AC70

768Whのバッテリー容量と定格出力1,000W、瞬間最大1,500Wのスペックを誇るポータブル電源です。
45分で80%まで充電可能な急速充電機能や、電力リフト機能により定格消費電力2,000Wまでの電熱線搭載家電に対応する点に加え、停電時に自動で切り替わるUPS機能や専用アプリを使用して、出力の切り替えや残量確認がスマートフォンから可能な点など「次世代型ポータブル電源」と呼ぶに相応しい先進性を備えています。
PowerArQ S10 Pro

1,024Whのバッテリー容量と1,600Wの定格出力(最大2,400W)のスペックを誇るポータブル電源です。ACコンセント2ポート、 USB-Aポート2ポート、USB-Cポート1ポート、シガーソケット1ポートを搭載している汎用性の高さや約1.5時間でフル充電可能な急速充電性能が特徴です。
洗練されたデザインと直感的な操作性から、機能だけではなくデザイン性にこだわりたい人からも人気を集めているポータブル電源です。日本のメーカーとあって、日本メーカーならではなきめ細かいサポートにも定評があります。
Anker Solix C1000 Portable Power Station

1056Whの大容量バッテリーと定格出力1800W、瞬間最大2400Wの純正弦波AC出力を備えているポータブル電源です。HyperFlash AC入力により、0%から100%まで約58分での充電を実現している点に加え、最大600Wのソーラー充電に対応しています。
100%の状態で保管しても半年で約5%しか電池残量が減らない保管性能や専用アプリを使用して、出力の切り替えや残量確認が可能な点、最大5年の保証が用意されているなど、スペックの高さ・安心感を両立したポータブル電源です。
ZENDURE SuperBase 600M

607Whの容量と定格出力600W、瞬間最大1000WのAC出力を備えたポータブル電源です。
電子レンジの使用に関しては少々心許ないスペックではありますが、ACポート×2、シガーソケット×1、DC5521端子×2、USB-C×1、USB-A×3を搭載している点やファンを搭載せず、金属筐体全体で放熱を行うことで実現した静音性・コンパクト性から持ち運びしやすい点、さらに-20℃の低温環境でも運転可能なことから、シチュエーションを問わずに活躍が期待できます。
Goal Zero Yeti 1500X

1,516Whの容量に定格出力2,000W、瞬間最大出力3,500Wと電子レンジの使用にも適しているポータブル電源です。2つの純正弦波120VACインバーターだけではなく、USB-C PDポート、
USB-Cポート、さらにUSB-Aポート2つに12V出力ポートなど、多くの出力ポートを用意しています。さらに最大600Wの充電ポートを備えていることから、約3時間での満充電が可能です。容量・出力の大きさが特徴なので、電子レンジの使用にマッチしています。
MAXOAK Bluetti EB240

大容量の2,400Whバッテリーを備えたポータブル電源です。
さらに定格出力1,000W、瞬間最大出力2,000Wと電子レンジの使用も申し分ありません。純正弦波のAC出力ポート2つ、USB-Aポート3つ、USB-Cポート1つ、12V DCカーソケットポート1つ、6mm DC出力ポート2つと多種多様なポートを搭載していることから、多くの機器を同時に使用・充電できます。
AC充電、ソーラーパネル充電、カーアダプター充電の3つの充電ポートを搭載しているなどまさに「ハイスペック」ですが、重量が約6.1kgとコンパクト・軽量なため、持ち運びやすい点も強みの一つです。
あわせて読みたい
【防災/災害/停電】家庭で使える非常用ポータブル電源おすすめ10選
「電気・電源の確保」は生死を分けるぐらい重要な家庭用で充電バッテリー
自分に合った電子レンジ対応ポータブル電源の選び方
電子レンジでの使用に可能なポータブル電源は多々あることが分かっていただけたのではないでしょうか。この中から「自分に合った」ポータブル電源の選び方としては、以下の2つのポイントが重要です。
- 電子レンジのスペックを確認する
- 用途を確認する
それぞれについて、詳しく解説していきましょう。
電子レンジのスペックを確認する
紹介させていただいたようにポータブル電源は多々ありますが、電子レンジもまた、さまざまなタイプが登場しています。そのため、「使用を想定している電子レンジのスペック」を確認しておきましょう。
電子レンジを問題なく使用できるかは、ポータブル電源が「電子レンジの使用に適したスペックなのか」が大切です。他のポータブル電源と比較して低いスペックではあっても自分自身が使用する電子レンジが使用できるスペックであればなんら問題ありません。
そのため、ポータブル電源のスペックだけではなく使用を想定している電子レンジのスペックもしっかりとチェックしておきましょう。
用途を確認する
一口に「ポータブル電源で電子レンジを使用する」と言っても用途はさまざまです。
そこで、自分自身が「なぜポータブル電源で電子レンジを使用するのか」を考えてみましょう。自然災害に備えているのか、アウトドアなのか、あるいは節電の一環なのか、それぞれ目的は異なるはずです。
ポータブル電源は容量や重量等によって強みが異なります。自分が想定する用途に強みを持っているポータブル電源なのか、この点もチェックしておきましょう。
あわせて読みたい
キャンプ中にポータブル電源で電気毛布は使える?
身体を温める電気毛布は、アウトドアキャンプの活躍するアイテム
自分のニーズにマッチしたポータブル電源を選ぼう!
ポータブル電源で電子レンジを使用することは可能です。
ただし、ポータブル電源・電子レンジそれぞれスペックが異なるため、「電子レンジのスペックに対応しているポータブル電源であれば」使用できます。
そのため、ポータブル電源と電子レンジそれぞれのスペックを正確に把握し、かつ自分が使用する用途を整理してマッチしたポータブル電源を選びましょう。
あわせて読みたい
ポータブル電源 信頼できる人気のメーカーおすすめ紹介【海外製/日本製】
ポータブル電源の利用は、アウトドアシーンにとどまらず「緊急時の非常電源」やソーラーパネルとのコンビネーションで「電気代節約」まで考えられます!安心して利用できるメーカーを紹介します。