ドライバーとは、ネジを締めたり緩めたりするための工具です。
DIYのために電動ドライバーを購入したいけど、『インパクトドライバー』と『ドリルドライバー』どっちを購入するといいのだろう......と頭を抱えている方も多いのではないのでしょうか。
用途に合わない物を使ってしまうと、ネジが駄目になったり、素材が割れてしまう恐れがあります。
ここでは『インパクトドライバー』と『ドリルドライバー』の特徴や違いをまとめました。
インパクトドライバーの特徴と違い
ちょっとした大工作業や家具造作、パーツの取り付けまで多機能に活躍するインパクトドライバー。
『インパクト』とは『衝撃』を意味し、その名の通り、負荷がかかった方向に打撃を強く与えながら回転する工具です。
衝撃を与えながらネジを回転させるため、ドリルドライバーよりも強くネジを締めたり、硬い材料に対してネジを回しこむことができます。
また、穴がない素材へのビス留めや、長いネジのスピーディーな打ち込みなど、パワーを必要とする作業にも向いています。
インパクトドライバーで出来ることの違い
ドライバーとは一般的にネジを締めたり緩めたりする用途で使われますが、インパクトドライバーは持ち前のパワーを活かした応用が効きます。
ビット(先端パーツ)を付け替えることで、できる作業は格段に広がりますよ。
はてな
ドライバー用ビットとは:ドライバーに取り付ける先端工具(アタッチメント)のこと。
研磨作業
ダイヤモンドカッターややすりなどの研磨ビットを取り付けることで、インパクトドライバーで研磨作業ができるようになります。
木材や石材、バイクのボディまでオールマイティに磨くことが可能で、ビットの種類を変えればバリ取りに使うこともできます。
デリケート部分の研磨や、ムラのない研磨、鏡面仕上げには不向き。ヘッドライトやタイヤのアルミホイール程度の使用をオススメします。
ビスを打ち込む作業
ドライバービットを取り付ければ、ビスの打ち込み作業もお手のもの。
DIYでは一般的にプラスドライバーで、サイズ:2番(+2)、1番(+1)がよく使われます。主に使われるのは2番で、フローリング用の極細ビスや小さい部分に対しては1番のビスが多いです。
失敗を防ぐためにも、用途や素材に合わせてビットのサイズを変えましょう。
ボルトの取り付け作業/タイヤ交換にも
ソケットビットを装着すれば、ボルトの取り付けが可能になるのでタイヤ交換もできます。
一般的に使用されているナットサイズは、17mm、19mm、21mm。車種によってナットの大きさが変わるので、サイズに合ったソケットビットを用意してください。
ココに注意
ナットの締め方が甘いと、事故などのトラブルを招いてしまう恐れが。インパクトドライバーで締めた後、トルクレンチで最終調節をしてください。
インパクトドライバーのメリット
ここまでご紹介した、インパクトドライバーの特徴やメリットをざっとまとめました。
- 長いネジの締め込みが得意
- 硬い素材に対して使用することができる
- 大量のネジを素早く打つことができる
- アタッチメントはワンタッチで装着可能
- ビス留めやボルト交換など、パワーが必要な作業ができる
インパクトドライバーのデメリット
インパクトドライバーは、様々な用途で使うことができる大変便利な工具です。
反対にインパクトドライバーならではのデメリットも存在しますので、確認して購入時の判断材料としてくださいね。
長時間の作業に不向き
インパクトドライバーは回転時の衝撃が大きいので、長時間使用していると手がかなり疲れてしまいます。
衝撃を抑え込む力が足りないと正確な位置に打ち込むことができないので、休憩を挟みなが使用しましょう。
部材破損の可能性
大きいパワーで衝撃を与えることにより、ネジ締めや穴開けをする部材が割れてしまう恐れがあります。
繊細な作業に不向き
ドリルドライバーよりもパワーの微調整が効かないので、細かい作業には不向き。
トリガーの調整でパワーを変えられる製品もありますが、DIY初心者にはインパクトドライバーでの繊細な作業はオススメできません。
使用時の音が大きい
衝撃を与えながら回転するので、使用時の音が目立ってしまうというデメリットもあります。
特にビスを強く締めるような作業では、かなり作業音が気になるかも。
自宅の庭で作業する場合は、使用する時間帯にも気をつけなければいけません。
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ドリルドライバーの特徴と違い
では次に、ドリルドライバーについてご紹介します。
穴あけとネジ締め、どちらも得意なドリルドライバー。インパクトドライバーと違って、ドリルドライバーは回転時に衝撃を加えることはありません。
真っ直ぐ均等なパワーで回転するので、正確な穴上げが得意です。
また、回転スピードやトルク(ネジを締め付ける強さ)の調整もできるので、繊細な作業に向いており、DIY初心者にもオススメの工具となっています。
ドリルドライバーで出来ることの違い
ドリルドライバーは細かい作業ができるように、回転スピードやトルクを調整できるボタンがついています。
そのおかげで、DIY初心者でも安定した作業が可能になるんです。
では、具体的にドリルドライバーとは、どのようなことができるのでしょうか。
回転スピードの調整
ドリルドライバーには回転スピード切り替えスイッチがついているので、素材に合った回転数で作業することができます。ネジを締めるときや穴をあけるときに、スピードが合わず素材が割れてしまうなどの失敗が減るんです。
デリケートな素材に対しては回転数を低く、硬い素材には高く...といった使い分けをして失敗を減らしましょう
トルクの調整
回転スピードの調整だけではなく、トルク(ネジを締める強さ)を調整するクラッチ機能もついています。
定めたトルクに達すると回転が空回りして、それ以上は力が働かないように制限してくれるという優れもの。
締めすぎによるネジや素材の破損を防いでくれます。
一定の締め具合を自動的に保ってくれるので、同じ素材にたくさんネジを締めるというような作業で大変便利ですね。
穴あけ作業
ドリルビットを装着し、クラッチ機能を解除すれば穴あけ作業もできます。
ドリルビットは、木工用、ダボ穴用、金属用など、様々な種類があるので、素材や用途によって使い分けましょう。
インパクトドライバーでも穴あけ作業はできるのですが、回転時に打撃が加わり軸がぶれてしまいます。なので、細かさと正確さが必要な穴あけ作業においては、ドリルドライバーに軍配が上がります。
はてな
ドライバー用ビットとは:ドライバーに取りつけて使う先端工具(アタッチメント)のこと。
鏡面仕上げができる
インパクトドライバーでも研磨作業は可能ですが、均等で細かい力加減が必要な鏡面仕上げには不向き。
デリケートな部分を磨く際や鏡面仕上げには、ドリルドライバーを使用した方が失敗が少なくオススメです。
チャックの調整ができる
インパクトドライバーのチャックに取り付けられるビットは、基本的に6.35mm角の六角形のみ。
対してドリルドライバーは、口径に収まるサイズであれば軸の太さに多少差があっても取り付けることができます。
さらに、六角軸・丸軸のどちらの形状もセットできるので、使えるビットの選択肢が広がります。
はてな
チャックとは:先端にビットを取り付け固定るする部分のこと。
ドリルドライバーのメリット
ここまでご紹介した、ドリルドライバーの特徴やメリットをざっとまとめました。
- 作業音が静か
- 繊細で正確な穴あけ・ネジ締め作業が得意
- 手の負担が少ない
- スピードやトルクの調整ができるので、初心者でも失敗が少ない
- 下穴錐のような細いドリルでも折れにくい
ドリルドライバーのデメリット
ドリルドライバーは正確さに長けており初心者でも扱いやすい工具ですが、もちろん不向きな作業もあります。
知らずに購入して、やりたいことができない!とならないよう、デメリットもしっかり確認しましょう。
長いネジ・太いネジを締めることが苦手
長い・太いネジを締めるには、高いトルクが必要。インパクトドライバーのような衝撃がないドリルドライバーでは、ネジを締めきることができない場合があります。
硬い素材・厚い素材に不向き
硬い素材や厚い素材に、穴をあけたりネジを締める場合にも高いトルクが必要となります。
やさしいDIY程度ならドリルドライバーだけで事足りますが、大工作業のような大型家具の組み立てとなると、インパクトドライバーの使用が望ましいでしょう。
パワーが必要な作業ができない(汎用性が低い)
ドリルドライバーはビス留めやボルトの取り付けなど、パワーを求められる作業ができません。
そのため、インパクトドライバーでできるタイヤ交換や、ビス留めなどの応用が効きません。
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インパクトドライバーとドリルドライバーどっちを買えばいいの?
ここまで『インパクトドライバー』と『ドリルドライバー』の特徴や違い、メリット・デメリットをご紹介しました。
インパクトドライバーがオススメの人
- ネジ締めを効率的に行いたい
- 長いネジを締めたい
- 硬い素材・厚い素材に対して使いたい
- 大型家具の組み立てなど、本格的なDIYをしたい
- ボルト交換やビス留めにも幅広く使いたい
ドリルドライバーがオススメの人
- DIY初心者の人
- 細い・小さなネジを締めたい
- 薄い素材・やわかい素材に対して使いたい
- 下穴やダボ用の穴あけに使いたい
- 大きな作業音は避け、気軽に使いたい
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便利な電動ドライバーで、より楽しいDIYライフを
パワフルな『インパクトドライバー』と、正確な『ドリルドライバー』で色々違いましたね。
その特徴と違いを活かして使用することで、作業効率は格段にアップします。
今では、穴あけに特化したタイプや、軽量でコンパクトなタイプ、静音を優先し日常的な使いやすさを優先したタイプなど、様々な製品があります。
自分に合う電動ドライバーを見つけて、より楽しいDIYライフを送ってくださいね!
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