ポータブル電源は、充電しておいた電気を使う機器ですから、充電方法や充電時間は製品選びをする際の重要なポイントになります。
この記事では、ポータブル電源にはどんな充電方法があって、それぞれの充電方法ではどのくらいの充電時間がかかるのか、詳しく解説します。
ポータブル電源の充電方法
ポータブル電源の充電方法は、主に家庭のコンセントからの充電、自動車のシガーソケットからの充電、ソーラーパネルによる充電の3つがあります。それぞれの充電方法について解説します。
実際にポータブル電源に充電を行う際には、製品によって操作方法が多少異なる可能性があるので、各製品の取扱説明書を参照してください。
なお、ポータブル電源の中でも特に大容量で多機能の製品には、EV(電気自動車)用の充電ステーションから充電できたり、住宅設置用のソーラーパネルから充電できたりする製品があります。
ただ、これらの充電方法に対応したポータブル電源は、あまり一般的でないので、この記事では省きます。
家庭のコンセントからの充電
ポータブル電源の充電ケーブルを家庭のコンセントに繋いで充電する方法です。一番多く利用される充電方法と言って良いでしょう。安定して充電ができて、充電時間も短いので、最も利用しやすい充電方法です。
ただし、停電の際には充電ができなくなるのが欠点です。災害時などに備えて、次に紹介するシガーソケットやソーラーパネルによる充電方法も使えるようにしておくと安心です。
充電方法は、ポータブル電源に接続した充電ケーブルをコンセントに接続するだけです。特に本体のスイッチを操作したりする必要はありません。
なお、家庭用のコンセントから得られる電流は、交流(AC)です。充電ケーブルは、AC入力ポートに接続します。
製品によっては、通常の充電の他に、より短時間で充電ができる緊急充電モード(メーカーによって名称は異なります)が使用可能な場合があります。
緊急充電の機能が搭載されている機種は比較的最近の機種が多く、専用アプリに対応していて、充電速度の切り替えは専用アプリから行う製品が多いです。
なお、緊急充電モードは、バッテリーの負荷が大きいので、必要なとき以外は使用しないようにした方がいいでしょう。
シガーソケットからの充電
自動車のシガーソケットから電源を取る充電方法です。
自動車に乗らない方は、ご存じないかもしれませんから、まずシガーソケットについて簡単にご説明します。
シガーソケットは自動車の運転席にある設備で、本来はタバコに火を点けるシガーライターという道具のために設けられたものです。
シガーソケットにシガーライターを奥まで差し込むと、シガーライターの電熱線に電流が流れて加熱され、タバコに火を点けられます。このように、シガーソケットには電流が流れているため、電源を取ることができます。
最近では自動車の車内でタバコを吸う人が減ったため、シガーソケットがオプション扱いになっていたり、電源を取るためにのみ用いるアクセサリーソケットとして装備されていたりします。アクセサリーソケットは、メーカーによっては電源ソケットと呼称されています。
ポータブル電源の場合も、シガーソケット(アクセサリーソケット)から充電ができます。自動車でキャンプ場に移動する場合や、車中泊の場合などには、シガーソケットから充電ができると便利です。
充電方法は、ポータブル電源にシガーソケット用の充電ケーブルを繋いで、ケーブルを自動車のシガーソケットに差し込みます。
コンセントの電流は交流(AC)ですが、シガーソケットから得られる電流は直流(DC)です。ケーブルはDC入力ポートに接続します。
注意点として、自動車のエンジンが停止している状態でポータブル電源の充電を行おうとすると、バッテリーが上がってしまう場合があります。シガーソケットから充電する場合は、エンジンを始動してから、充電ケーブルを接続するようにしてください。
なお、シガーソケット用の充電ケーブルは、ポータブル電源によって付属している場合と付属していない場合があります。付属していない場合は、別途購入する必要があります。
ソーラーパネルによる充電
ソーラーパネルは、太陽光に当てることができれば発電できるのが強みです。災害などで停電しているときには、特に頼りになる充電方法です。
コンセント以外からの充電方法を確保する意味では、上記のシガーソケットからの充電も有効です。
ただし、シガーソケットで充電をするには、そもそも自動車を所有している必要がありますし、非常時にはガソリンが手に入りにくくなる可能性もあります。必ずしも常に使えるわけではありません。
ソーラーパネルなら、太陽光さえあれば電気を使い続けることができます。
日の光に当てる必要があるので、天候によって発電量が左右される欠点はありますが、防災用にポータブル電源を購入する際には、ソーラーパネルも一緒に購入しておくと安心です。
使用方法は、ソーラーパネルとポータブル電源本体をケーブルで接続するだけです。ソーラーパネルから得られる電流は直流(DC)なので接続するのは、DC入力ポートです。
なお、ソーラーパネル2枚程度はポータブル電源に直接接続できる場合が多いのですが、3枚以上接続する場合はアダプターを介して接続する必要がある場合が多いです。
あわせて読みたい
人気ポータブル電源 おすすめ 最新ランキング!
更新New!バッテリーマート独自の人気ランキングで紹介しています。
ポータブル電源の充電時間
ここからは、コンセント、シガーソケット、ソーラーパネルのそれぞれについて充電時間をみていきます。
ポータブル電源の充電時間はメーカーや製品によっても変わりますが、ここでは例として、ラインナップが豊富なJackeryのPlusシリーズを採り上げます。
なお、Explorer 100 Plusは、ACコンセントがなくUSB出力だけが可能な、ポータブル電源としてはやや特殊な製品です。ここでは、Plusシリーズに含めます。
家庭のコンセントからの充電
まずは、最も利用する機会が多いコンセントからの充電です。他の充電方法に比べて、短時間で充電できます。
2000 Plus | 1000 Plus | 600 Plus | 300 Plus | Explorer 100 Plus | |
バッテリー容量 | 2042Wh | 1264Wh | 632Wh | 288Wh | 128Wh |
充電時間 | 2時間 | 1.7時間 | 1.7時間 | 2時間 | 1.8時間 |
充電時間は機種によって若干の違いはありますが、コンセントで充電する場合、およそ2時間程度で充電できることが分かります。
なお、Jackeryのポータブル電源は、新しいNewシリーズは、緊急充電モードに対応しています。Plusシリーズでは、発売時期が遅かった600 Plusが緊急充電モードに対応していて、緊急充電モードを使えば約1時間で充電できます。
シガーソケットからの充電
シガーソケットからの充電では、充電できる電気が少ないため、家庭用コンセントから充電する場合よりも、充電時間がかかります。
2000 Plus | 1000 Plus | 600 Plus | 300 Plus | Explorer 100 Plus | |
バッテリー容量 | 2042Wh | 1264Wh | 632Wh | 288Wh | 128Wh |
充電時間 | 25時間 | 7時間 | 7.5時間 | 5.5時間 | 2.5時間 |
一部例外はありますが、コンセントからの充電の場合とは異なり、バッテリーの容量が増えれば、充電時間も長くなる傾向があります。
ソーラーパネルによる充電
ソーラーパネルを使って充電をする場合は、ソーラーパネルの性能やパネルを何枚接続するかによって、充電時間が変わります。下記の表は、Jackeryホームページの各製品の紹介ページで最短の充電時間として記載されているものをまとめました。
2000 Plus | 1000 Plus | 600 Plus | 300 Plus | Explorer 100 Plus | |
バッテリー容量 | 2042Wh | 1264Wh | 632Wh | 288Wh | 128Wh |
使用するソーラーパネル | 200W×6枚 | 200W×4枚 | 200W×1枚 | 100W×1枚 | 100W×1枚 |
充電時間 | 2時間 | 2時間 | 4.3時間 | 4.6時間 | 2.0時間 |
表にあるように、大容量のポータブル電源の場合でも、性能の高いソーラーパネルを複数枚使えば短時間で充電することができます。
逆に言えば、大容量のポータブル電源の場合、ソーラーパネルの性能や枚数によっては、充電時間が長くかかります。
例えば、1000 Plusの場合、100Wのソーラーパネル1枚で充電すると充電時間は18時間になります。
家庭で準備できるソーラーパネルは、1枚・2枚までの場合が多いと思いますから、大容量のポータブル電源を満充電するためには、相応の時間がかかることになります。
また、メーカーのホームページに記載されている充電時間は、条件が良い場合のものなので、曇っていたり、ソーラーパネルが正しく太陽の方を向いていなかったりすれば、充電時間は長くなります。
更に、気温が高い場合も発電効率に影響するのですが、この点は後で解説します。
あわせて読みたい
【防災/災害/停電】家庭で使える非常用ポータブル電源おすすめ10選
「電気・電源の確保」は生死を分けるぐらい重要な家庭用で充電バッテリー
充電方法・充電時間に関する注意点
最後に、ここまでに触れていない充電方法、充電時間に関する注意点について解説します。
パススルーは対応機種で行う
ポータブル電源を充電している最中には、ポータブル電源に家電などを接続して電気を使うのは避けた方が無難です。充電と放電を同時に行うと、内蔵バッテリーの負担が大きくなり、バッテリーの劣化が進んでしまうからです。
ただし、充電しながら電気を使えるパススルーという機能を備えたポータブル電源もあり、パススルー対応の機種であれば、充電しながらポータブル電源の電気が使えます。
ソーラーパネルの発電効率は気温の影響も受ける
太陽光を受けて発電を行うソーラーパネルは、天候の影響を受けます。曇り空のときに発電量が少なくなるのはもちろん、気温の影響も受けます。
ソーラーパネルの発電効率が最も高くなるのは25度前後とされていて、これはパネルの表面温度です。
夏の30度を超えるような気温が高い時期には、ソーラーパネルの表面温度は更に上がるので、発電効率が30%程度落ちる場合もあります。
日差しが強い夏場にソーラーパネルで充電すると、短時間でポータブル電源の充電ができそうに思えるのですが、実際には必ずしもそうならないので注意してください。
暑い時期にパネルが高温になっているときは、直射日光が当たる場所にソーラーパネルを置くよりも、風通しのよい日陰に置いて温度を下げた方が発電効率が良くなる場合もあります。
シガーソケットでの充電は12Vのみ対応の場合も
12Vと24Vの両方に対応した製品もありますが、シガーソケットで充電する場合は、12Vで充電する必要があるポータブル電源があります。
普通乗用車のシガーソケットの電流は12Vなので、普通乗用車で使用する場合は問題ありません。
ただし、トラックなどの大型車のシガーソケットは24Vなので、そのままではポータブル電源の充電ができません。
24Vを12Vに変換するコンバーターも販売されていますが、トラックなどでポータブル電源を使いたい場合は、24V車のシガーソケットでの充電に対応したポータブル電源を購入することをおすすめします。
あわせて読みたい
ポータブル電源 日本製を徹底比較!おすすめ人気ランキング
メイドインジャパン日本製だからこそ日本規格の安心できるポータブル電源
充電方法・充電時間を知ってポータブル電源を使いこなそう
充電方法と充電時間について解説しました。普段はコンセントから充電をしている人でも、ソーラーパネルやシガーソケットからも充電ができることを知っておけば、停電したときなどに役立ちます。
特にソーラーパネルは、日光を当てるだけで発電ができるので、災害時などにも充電ができて便利です。
充電方法や充電時間についても把握して、ポータブル電源を大いに活用してください。
あわせて読みたい
ポータブル電源 信頼できる人気のメーカーおすすめ紹介【海外製/日本製】
ポータブル電源の利用は、アウトドアシーンにとどまらず「緊急時の非常電源」やソーラーパネルとのコンビネーションで「電気代節約」まで考えられます!安心して利用できるメーカーを紹介します。